GL壁と鉛シート・遮音パネルの遮音効果

GL工法の弊害は色々なウェブサイトでも取り上げられており、御存知のかたも多いと思います。しかしながら具体的な対策を知っている 専門業者は非常に少なく、いまだに既存壁・梁・柱の上に鉛シートや遮音パネルを直接張り付けるという工法で対処しようとする建築士や 業者が多いのが実情です。

GL壁は通常、振動音など固体伝播音を増幅するなど共振体として作用し、コンクリート躯体素面に比べて10~15dB程度遮音性能が低下します。 これに対して鉛の遮音パネル・シートを重ねても防音効果はほとんどありません。石膏ボードや鉛シートそのものに固体音を制振・絶縁する効果が ないからです。

古い遮音設計マニュアルや施工の知識のない研究者のリポートには、鉛のシートを重ねると効果が出ると根拠のない情報を平気で記載しています。 共振体となる壁面や天井面に遮音パネルを重ねて施工するだけでは現状は改善できません。


鉛シート・遮音パネルの音響・防音上のリスク

鉛の遮音パネルを防音室の壁や天井に使用すると反射音が強くなり音響が悪化します。反射音が強くなる割には遮音パネルのつなぎ目から音漏れし あまり遮音効果が上がりません。

防音ドアのように比較的小さな区画でつなぎ目のない構造であれば、鉛シートは遮音効果が出ます。うすい素材としてのメリットが出ます。

鉛に限らず遮音パネル工法は、つなぎ目が音漏れの弱点となります。これはALCパネルでも同様な現象が起きます。硬質な遮音材というのは余程の 厚さ(マス)がなければ音を透過し、ある周波数帯で共振します。そのうえ反射音が強くなり音響が悪化するので、特に木造防音室には向かない 製品・工法です。
遮音パネルと防音室


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